(株)セラウェーブが手がける、再生可能エネルギーを活用した水耕栽培「麗鷲のメロン」の取り組みが2021年6月9日発行 石巻日日新聞の一面に掲載されました。

石巻日日新聞
2021年6月9日 石巻日日新聞
東松島・セラウェーブ太陽光発電とハウスの一体設備
メロンの水耕栽培に挑戦 環境に優しい農業模索

—「石巻日日新聞」2021年6月9日掲載記事より抜粋—-

東松島・セラウェーブ太陽光発電とハウスの一体設備
メロンの水耕栽培に挑戦 環境に優しい農業模索

東松島市赤井のビニールハウスで県内初となるメロンの水耕栽培が始まり、関心を集めている。温度を保ったハウスでは糖度の高い丸々としたメロンが育ち、間もなく収穫を迎える。手掛けたのは産業用太陽光発電事業や再生可能エネルギー事業など行う(株)セラウェーブ(髙橋実社長)=本社東京都多摩市=。耕作放棄地を活用して取り組む試験栽培であり、太陽光発電とハウス栽培を組み合わせた環境に優しく高効率な農業の形を模索している。

髙橋社長は東松島市出身で、石巻地方では一般住宅や企業など300カ所以上に太陽光発電パネル設置など行ってきた。その中で、東日本大震災後に耕作が放棄された土地などの有効な活用方法を考え始め、ハウスによる農作物の栽培に目を付けた。

そこで東京都町田市で誕生した「町田式水耕栽培」と出会い、導入を決定。現地での研修などを経て、今年2月から4つの水耕栽培設備を設けてメロンの栽培を始めた。

麗鷲のメロン
水耕栽培で実った「麗鷲のメロン」

町田式水耕栽培は従来の手法とは異なり、養分や水を吸う栽培槽の流れを改良。根の発達を促し、植物が持つ成長力を引き出している。同社のハウスは8メートルほどだが、株から伸びたつるは優にその長さを超えており、これまでの水耕栽培とはけた違いの成長力を見せている。一つの株には60個以上のメロンが実り、その糖度は19度に達するものも有る。

現在は試験栽培の意味合いが強く、インターネットを介した販売のみだが、味の評価など聞き入れながら秋以降は株を増やし「再生可能エネルギーで作ったメロン」として、大手スーパーなどでの販売や直売を目指していく。さらにオリーブオイルやブルーベリーなどのハウス栽培に向けて取り組んでいく計画だ。東松島市に事業所を置く髙橋社長は「太陽光発電とビニールハウスで構成される生産システムをパッケージにして、土地利用の一つの形として提供していければ」と話し、農業の新しい手法に期待を込めていた。[渡邉裕紀]